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ハッカソンはいいぞ。

この記事は、GDGoC Japan Advent Calendar 2025の25日目の記事です。 メリークリスマス!

軽い自己紹介#

はじめまして。会津大学学部2年生の 「しゃけのきりみ。」 と申します。「。」までが名前ですので、ぜひお見知りおきを。

ハッカソンとは?#

ハッカソンは、限られた期間でテーマに沿ってプロダクトを作り、発表し、審査されて、優れたものは賞をいただける、というイベントです。


私は、これまで以下のハッカソンに参加してきました。

Electric Sheep 2025/2024#

https://www.nagoyatv.com/hackathon-electricsheep/ 名古屋テレビさんが主催されている、「SFプロトタイピング」を主軸においたハッカソンです。 30年後の未来を見据え、テーマに沿って「どのような未来が待っているか、そしてそこでどのようなプロダクトを開発するか」という、技術者的にはあまり見たことのないタイプのハッカソンです。

2年連続出場はさすがに無理かなぁ…と思いながら申し込んだら、2年連続で参加させていただけました。頭が上がりません。連勝したかった…

開発や参加に係る費用がほぼ全てご負担いただけるハッカソンで、本当に開発と議論に集中できる本当に素晴らしい大会です。

Tornado 2025#

キックオフと表彰式がオフライン、開発がオンラインのハイブリッド型ハッカソン。 全国各地の仲間と一緒に、「日本人の睡眠週間をキャラを友達と育てることで改善する」というコンセプトのプロダクト「Sleemuu」を開発しました。

BOT AWARDS 2024 ハッカソン@会津#

人生で最初に参加したハッカソンがこちらです。 LINE Botでプロダクトを作れ、というもので、生成AIを用いて「愚痴や悪口を京都弁に言い換え、トラブルを避けよう」というコンセプトのプロダクト「あんぜん京都」を、先輩方とともに開発しました。

会津大学の先輩方や同期のすごさをしるきっかけとなり、入学1ヶ月でモチベーションが大きく上がるきっかけともなりました。


また、以下のハッカソンを主催しました。

GDGoC Aizu Beginner’s Hackathon#

「ハッカソンに参加するのはハードルが高い」と感じている身近な学生のために、会津大学で初心者向けのハッカソンを主催しました。 運営として、参加者が悩みながらも初めてのプロダクトを形にしていく姿、そして発表時のやり遂げた表情を間近で見て、「やはりこの場所には、座学だけでは得られない熱量がある」と確信しました。 特に、初心者だからこそ「目的のために技術を選択する」という視点が多く生まれ、技術者のあり方として、参加者にも、我々運営にも良い結果を産んだのではないかと考えています。

「ハッカソンは意味がない」という議論#

ネットやSNSでは、時折「ハッカソンなんて意味がない」という声が聞こえてくることがあります。

  • 「数日で書いたコードなんて、どうせ使い捨てのゴミになる」
  • 「技術力よりも、プレゼンやアイデアの面白さだけで評価が決まる」
  • 「短期間の徹夜自慢は、エンジニアの健全な成長を阻害する」

確かに、一理あるかもしれません。実務で求められる「保守性の高いコード」や「継続的な運用」とは真逆のイベントかもしれません。

それでも、私はあえて言いたい。「ハッカソンはいいぞ」と。

なぜなら、ハッカソンの真価は「完成したプロダクト」そのものではなく、「開発プロセスの中で得られる、爆発的な経験値」 にあるからです。


ハッカソンが私にくれたもの#

1. 「やりきる力」#

普段の個人開発で、「よし、この技術を触ってみよう」と思っても、エラーに詰まったり忙しくなったりして、結局エディタを閉じてしまった経験はないでしょうか。 ハッカソンには「締め切り」という絶対的な終わりがあります。動かなくても、泥臭くても、最後にはステージに立って発表しなければならない。この 「強制的に完成まで持っていく力」 は、エンジニアにとって最も重要な筋肉の一つだと考えています。 健康的な開発体制では確かに無いかもしれません。 しかし、計画の立て方や、どうしようもなくなったときの解決方法を鍛えるという意味でも、ハッカソンには価値があるのではないでしょうか。

2. 「技術」を「手段」として捉える視点#

これは、私の今の技術への関わり方、そして今後の関わり方を大きく変えるものでした。 『Electric Sheep』でのSFプロトタイピングは、私に大きな衝撃を与えました。「何を作るか」の前に「どんな未来にしたいか」を徹底的に議論する。技術者の道を選び、情報系単科大学に進んだ私としては、とてもとても衝撃でしかありませんでした。 ハッカソンは、ともすれば「技術を使うこと」が目的になりがちな私たち、特にZenn記事を読み漁るようなエンジニアの皆様(いい意味で)に、 「技術を使って、誰のどんな課題を解決するのか?」 という本質を突きつけてくれます。

3. 「人」との繋がりという財産#

Tornadoでは、北は函館、南は熊本から来た仲間とハッカソンを戦い抜きました。 そこで出会った彼らとは、実は後述するハッカソンの運営にも関わっていただいたり、技術者としてとても貴重な人間関係を築かせていただいています。 ハッカソンで出会った仲間は、「吊り橋効果」ではないですが、戦い抜いたからこその絆や、お互いに対する尊敬が生まれ、その後の財産となると考えます。


つくる側になって見えた景色#

先述の通り、ハッカソンが好きすぎてついに自分で 「GDGoC Aizu Beginner’s Hackathon」 を主催するに至りました。

参加者としてではなく、運営として参加者たちが悩みつつ、自分たちの考えたプロダクトに向けて開発をしている姿を見たとき、確信しました。 「意味があるかないか」を議論する前に、「何かが生まれる瞬間やそれまでの過程にかける熱量」に身を置くこと自体が、とんでもない価値があると。


非技術者の皆様へ#

「ハッカソンはプログラミングができる人のためのイベントでしょ?」 そう思っている方にこそ、伝えたいことがあります。

ハッカソンには、コードを書かない時間は山ほどあります。 物によってはコードを書く時間のほうが短いことすらあります。

プロダクトを作る上で、コードはあくまで「実現手段」に過ぎません。

  • そもそも、誰のどんな課題を解決するのか?(課題定義)
  • どんな画面なら直感的に使いやすいか?(UI/UXデザイン)
  • 限られた時間で、どの機能を優先すべきか?(PM/意思決定)
  • このプロダクトの魅力をどう伝えるか?(プレゼン・ストーリーテリング)

これらはすべて、プログラミングスキルとは別の「専門性」です。 実際、私が参加した『Electric Sheep』のようなSFプロトタイピングの場では、技術的な実現可否よりも「未来をどう描くか」という想像力が最大の武器になりましたし、参加されている方には技術者でない方もいらっしゃいました。

「自分は作れないから」と一歩引いてしまうのはもったいないです。あなたの持つ視点、違和感、アイデアが、チームに大きな「価値」をもたらす瞬間が必ずあります。

まとめ : ハッカソンはいいぞ。#

批判的な意見があるのも事実ですが、それでも私がこれほどまでにハッカソンに魅了され、周囲に勧め続けるのは、他では得がたい 「圧倒的なプラスの影響」 があるからです。

  1. 「やりきる力」がつく エンジニアにとって、特に難しいのは「終わらせること」です。 ハッカソンには「締め切り」という絶対的な壁があります。泥臭くても、バグがあっても、とにかく形にして人に見せる。この 「完走した」という成功体験 は、その後の個人開発や実務において、何にも代えがたい自信(自己効力感)に繋がると考えます。
  2. 知的好奇心が爆発する「技術の越境」 普段の学習はどうしても自分の興味範囲に閉じがちです。 しかしハッカソンでは、短期間で新しいAPIやライブラリを無理やり使いこなす必要に迫られたり、チームメンバーの鮮やかなコーディングを目の当たりにしたりします。この 「高密度なインプットとアウトプットの料理ゆ」 は、通常の学習よりも大きく自分を成長させてくれます。
  3. 「技術」を「価値」に変換する視点 「どの技術を使うか」と同じくらい「誰がどう使うか」を考え抜くのがハッカソンです。 審査員やユーザーに魅力を伝えるためのプレゼン、限られた時間内での機能の取捨選択(スコープ定義)。 エンジニアとしてあるべき視点として私が最も大きいと考えるのがこの視点です。ハッカソンではこの視点がとても重要視され、成長につながります。
  4. 損得抜きの「戦友」ができる 深夜にエナドリを飲みながらデバッグし、勝った瞬間にハイタッチする。そんな濃密な時間を過ごしたメンバーとは、イベントが終わった後も刺激し合える一生モノの仲間になります。特に大学の枠を超えて、全国の尖った仲間と出会えるのはハッカソンの醍醐味です。

最後に:次はあなたの番です#

ここまで読んで「ちょっと楽しそうかも」と思ったあなたへ。 2025年の締めくくりに、あるいは2026年のスタートに、最高の舞台を用意しました。

GDGoC Japan Hackathon#

現在、私がメインオーガナイザーとして準備を進めている、学生のためのハッカソンです。 私がこれまでハッカソンでご一緒してきた仲間と一緒に、「ハッカソン好きが作る最高のハッカソン」を目指して準備しています。

  • 日程: 2026年2月〜3月(予選・本選)
  • 場所: 全国6会場 : 函館・仙台・会津・東京・名古屋・大阪
  • 対象: 全国の学生

「自分なんてまだ早い」なんて思わなくて大丈夫です。 かつての私が参加したハッカソンで色々なものが変わったように、このイベントがあなたのエンジニア人生を変えるきっかけになるかもしれません。

2026年春、会場で皆さんと「つくる楽しさ」を共有できるのを楽しみにしています!

(上記の内容は変更される場合があります。詳しくは以下のページをご覧ください。)

[ハッカソンの詳細はこちらから] https://gdsc-jp.connpass.com/event/378883/


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 お読みいただいた皆様と、どこかでお会いできることを楽しみにしております。

それでは皆様、メリークリスマス&良いお年を!

ハッカソンはいいぞ。
https://blog.shakenokiri.me/posts/hackathon/
作者
Shakenokirimi
公開日
2025-12-25
ライセンス
CC BY-NC-SA 4.0